頭の上の蝿を追え

しがない某京大生が日常を綴る

東北チャリ 其の5

9日目は盛岡からスタート。

この日はそんなに距離を漕ぐ予定はなかったのでのんびりめのスタート。

昼食を盛岡市内でとる。昨日はじゃじゃ麺を食べたので今日は2つ目の盛岡冷麺を食べることにした。盛岡冷麺は辛味、酸味が調和していて美味しい。舌を休めるためにスイカも盛られていて非常にいい配慮がなされている。麺はもっちりしていて私好みである。

実は9日目はこれくらいしか書くことがない。八幡平に備え、八幡平温泉郷で早めの休息をとることにした。

10日目のスタート。

八幡平は名前の通り山頂部分が平らな山で、そこまで車や自転車を使って行くことができる。八幡平に至る道は、「八幡平アスピーテライン」という名前がつけられ美しい景色を眺められることで有名だ。本当は山頂まで各自のペースで行く予定だったが、今年は木の実が不作なためツキノワグマが例年より多く人里に出ているらしく、集団で登ることになった。

八幡平温泉郷から八幡平までおよそ20km/1000mアップの行程。とても険しい斜度の坂が待ち受けている。序盤から10%近くある斜度の坂が襲いかかる。今まで箱根峠、乗鞍岳和田峠など名だたる坂を登ってきたが、八幡平はそこらに負けず劣らずの坂道だ。

最初は苦しいが、御在所を抜けたあたりから景色がひらけ始め、斜度も緩やかになり比較的坂道が楽になる。八幡平を登ることになった自らの境遇を恨みながら、なんとか八幡平に着いた。

八幡平の山頂を散策する。

八幡平アスピーテラインは、岩手県から秋田県に降りる道を1つとっても非常に綺麗で何度か立ち止まって写真を撮った。

この日は八幡平を一度下り、再び400mほど登ったところにある玉川温泉まで向かう。登ってばっかりの1日だ。

ぶつぶついいながら玉川温泉に到着。登っている時は文句がたえない。しかも今回のチャリ旅は男しかいないため、みんなペースが速いのも疲れる原因である。

玉川温泉秋田県仙北市にある温泉地帯。現在も活動中の焼岳の麓から湧き続ける温泉だ。玉川温泉は日本の中でも珍しい強酸性泉で主成分が塩酸だという。phは驚異の1.13。包丁を1日玉川温泉に漬けると包丁がボロボロに溶けて出てくるらしい。そんな温泉、入れるのかと疑心暗鬼で入ったが、案の定体の隅々がヒリヒリする。少しでも傷があればそこが躊躇なく痛む。本当はもっと温まりたかったが、痛みに我慢できず10分程度であがってしまった。

さらに玉川温泉付近の地盤は微量の放射線を発するみたいでそれがガンに効くと言われている。玉川温泉の泉質、そして放射線を求めて全国のがん患者が湯治に訪れるらしくがん患者の聖地と言われている。実際、売店で話しかけてくれた人もがん治療で訪れたらしい。

温泉から出て売店で買い物をしていると、売店の方から好意で嶽きみを頂いた。嶽きみは青森県の限られた地域で収穫できる1本あたり300円ほどする高級とうもろこし。非常に甘く、その糖度はフルーツ並みらしい。

玉川温泉周辺は散策路として整備されている。

焼岳から噴出する硫黄成分がそこらへんから出ており、火山活動によって地面も温かい。岩盤浴代わりに地面にご座を敷いて寝ている人もいた。玉川温泉は様々な楽しみ方があって面白い。

この日は40km/1500mアップほど。本当にお疲れ様という日だった。